ご挨拶

2024新春挨拶

食科協 2024年 新春に臨んで

                        特定非営利活動法人食品保健科学情報交流協議会
                   

 

 正月早々から能登半島地震,羽田空港での航空機事故と波乱の幕開けとなりました.政界では裏金問題,産業界では承認制度の不正,等々,暗いニュースばかりですが,これからの食品業界の趨勢はどのようになっていくのでしょうか?

 日本経済の衰退や失われた30年などと,マスコミでも散々いわれてきたことですが,私自身は,まだまだ実感としての認識は乏しく,そのうち良くなるだろうと楽観的に考えていたのですが,この正月休み中に何もせず,ボート過ごしている時に,突然,「本当に日本もやばいかも」と雷撃に打たれたようなショックを感じました.

 「日本も本当にやばい状態になってきているな! 子供たちや孫たち世代の未来が本当に悲惨なものになって行くんじゃないか? 我々世代がこのまま静観していていいのだろうか? やるべきことを今こそやらなければならないのじゃないいだろうか?」と気づくこととなりました.

 この関東においても直下型の地震が明日にでも起こってもおかしくないということも現実感を持って認識しました.すぐに今日からでもできる対策をしなければと思いました.

 食品の衛生分野においても,おそらく皆様方,大変大きな危惧をお持ちでは無いでしょうか?保健所の機能低下,食品衛生監視員の劣化,企業モラルの衰退等々,我々シニア世代が,今一度社会の前面に出て,この状態を立て直す必要があるのではないか,と痛切に感じた次第です.

 年頭にあたって,食科協の活動を考えるにおいても,これまでどちらかというと,会員の高齢化や活動の低下などが懸念材料であったわけですが,今やそんな呑気なことを言っている場合ではないのではないか?

 みなさん,のんびりと老後を過ごそうと考えている場合ではないですよ!食品衛生法や表示法の改正が改悪とならないよう,政治家の思惑で迷走して行かないよう,しっかりと情報の収集と現場からの声を届けていくことでこの衰退を止め,停滞の再起と健全な成長に,我々,食科協が貢献して行かなければならない,という天からの啓示だと理解しました.

 どうか,会員各位のみなさま,当協議会が益々社会に貢献できますよう,みなさまのご貢献,ご支援,ご協力をおねがいする次第です.

新理事長プロフィール
1954年、岡山市生まれ
北海道大学獣医学部卒  厚生省入省以来、主に食品衛生及び感染症分野に従事。
兵庫県庁に出向時には、保健所の現場での食品監視業務、と畜検査、狂犬病対策に従事.。健康局感染症情報管理室長、マレイシア保健省政策顧問、輸入食品・検疫検査センター長、生活衛生局監視安全課長、検疫所長を歴任. 。「食品衛生法」,「栄養改善法」、「検疫法」等の改正,「食鳥検査法」の創設、「感染症法」の制定に従事.。
現在、公益社団法人日本食品衛生協会常務理事、一般社団法人食品衛生登録検査機関協会理事長、公益社団法人日本獣医師会理事。

                理事長 加地 祥文